横浜DeNAベイスターズの2026年戦力分析:ドラフト戦略と退団選手から見えた「緊急補強ポイント」【横浜DeNAベイスターズ編】
2025/12/11
2025年シーズンが終わり、プロ野球界は来季に向けた戦力再編の時期に入った。横浜DeNAベイスターズは、ドラフト会議で即戦力となり得る大学生・社会人野手を中心に指名するなど、手薄なポジションの強化と将来への布石を打った。しかし、一方で主力級の外国人選手の退団や、ベテラン・中堅選手の契約保留選手名簿からの除外、さらには主力選手の他球団への移籍により、チームの陣容は大きく変化している。
本記事では、新しく加入したドラフト新戦力と、チームを去る〈契約保留選手名簿から外れた主な選手〉の一覧を列挙した。ベイスターズがドラフトで強化を図ったポジションと、「緊急で補強が必要な穴」を考察し、来季のチーム編成の課題を探る。
〈ドラフト新戦力一覧〉
| 順位 | 選手名 | ポジション | 所属 |
| 1位 | 小田 康一郎 | 内野手 | 青山学院大学 |
| 2位 | 島田 舜也 | 投手 | 東洋大学 |
| 3位 | 宮下 朝陽 | 内野手 | 東洋大学 |
| 4位 | 片山 皓心 | 投手 | Honda |
| 5位 | 成瀬 脩人 | 内野手 | NTT西日本 |
| 現役ドラフト | 濱 将乃介 | 外野手 | 中日ドラゴンズより獲得 |
ポジション内訳
投手:2人、内野手:3人、外野手:1人(現役ドラフト含む)
ドラフトでは、内野手を3人指名した。特に1位の小田康一郎は即戦力の期待がかかる大学生内野手であり、手薄な内野の層の厚みを増すことを狙った選出と見られる。現役ドラフトでは、走力と守備に定評のある外野手、濱将乃介を獲得した。
〈契約保留選手名簿から外れた主な選手〉
| ポジション | 選手名 |
| 投 手 | 徳山 壮磨 |
| 投 手 | 三嶋 一輝 |
| 投 手 | 森 唯斗 |
| 投 手 | 松本 隆之介 |
| 投 手 | A.ジャクソン |
| 投 手 | 京山 将弥 |
| 投 手 | 浜地 真澄 |
| 投 手 | R.ウィック |
| 投 手 | A.ケイ |
| 投 手 | 庄司 陽斗 |
| 投 手 | T.バウアー |
| 捕 手 | 伊藤 光 |
| 内野手 | T.オースティン |
| 内野手 | 知野 直人 |
| 内野手 | M.フォード |
| 外野手 | 桑原 将志 |
知野は現役ドラフトで中日に、桑原は西武ライオンズに移籍した。
ポジション内訳
投手:11人、捕手:1人、内野手:3人、外野手:1人
現状の課題と補強ポイント
退団選手(契約保留名簿外の選手、および移籍選手)と新規加入選手をポジション別に集計すると、来季に向けたチームの緊急補強ポイントが見えてくる。
| ポジション | 退団選手数 | 新規加入選手数 | 差引 |
| 投 手 | 11人 | 2人 | -9人 |
| 捕 手 | 1人 | 0人 | -1人 |
| 内野手 | 3人 | 3人 | 0人 |
| 外野手 | 1人 | 1人 | 0人 |
最も深刻なのが投手陣、特に先発陣の大量流出である。
深刻な先発投手不足
退団選手の中で、先発としてローテーションの一角を担っていた外国人投手、A.ジャクソン、A.ケイ、T.バウアーの穴は非常に大きいと言える。特にジャクソンとケイの離脱は痛手で、昨年のチームにおいてバウアーよりも安定して活躍したため、その穴も計り知れない。実績ある外国人先発3人(ジャクソン、ケイ、バウアー)が一気に抜けることで、先発ローテーションの再構築は待ったなしの状況だ。
既存の先発陣である東克樹、大貫晋一、平良拳太郎らにかかる負担は増大するだろう。ドラフトで指名した島田舜也、片山皓心は層の底上げにつながるが、即座に穴を埋めるには実績不足であり、先発ローテーションの立て直しは来季の最重要課題となる。
リリーフ陣の再構築
中継ぎ・抑えについても、森原康平、伊勢大夢といった実績ある投手が控えているものの、経験豊富なR.ウィックなどの投手陣が契約保留選手名簿から外れた。投手の退団人数が多いだけに、若手や新外国人によるリリーフ陣の再構築も急務となる。
野手陣の戦力ダウンも懸念
野手陣では、長年チームを支えた桑原将志の西武への移籍に加え、T.オースティンといった打線の中核を担う選手が名簿から外れた。筒香嘉智、度会隆輝、佐野恵太を中心に打線は組めるが、オースティンや、移籍した桑原が担っていた外野の守備と打撃での貢献度をどう埋めるか、長打力と経験の面で大きな懸念材料だ。
内野手は、ドラフトで3人を獲得し、知野が流出したものの差し引きは0人である。層は厚くなったが、宮﨑敏郎、牧秀悟に次ぐ軸となる選手の台頭が求められる。
まとめ
2026年シーズン、横浜DeNAベイスターズの最大の課題は、外国人投手3人が抜けた先発ローテーションの再構築だ。ドラフトでは野手の補強が目立ったが、チームの勝利の鍵は、新外国人や若手投手の台頭、そして既存の先発陣の奮起にかかっている。また、桑原の穴を埋める外野手の即戦力確保も重要となるだろう。