【女子プロゴルフ】奈落の「78」から意地の「69」へ。原英莉花が駆け抜けた激動の4日間
2026/04/08
【アラムコ選手権】
大会期間:2026年4月2日~5日
コース:シャドークリークGC 6765ヤード パー72
精緻なマネジメントが要求される4日間の舞台。2026年4月2日から5日にかけて行われたアラムコ選手権において、27歳を迎えた原英莉花が残したスコアカード。そこに刻まれていたのは、あまりにも激しい起伏と、上位へ食い込もうとする執念の軌跡だった。極端な数字が入り乱れたこの大会が、彼女のキャリアに何を突きつけたのか。残された記録から、その意味を紐解く。
均衡と崩壊の予選ラウンド
第1ラウンドはパープレーの「72」、27位タイという静かな滑り出し。17番でのダブルボギーを直後の18番でのバーディで取り返す粘りを見せた。しかし、暗転は第2ラウンドに訪れる。前半をイーブンで折り返したものの、後半12番での「+3(トリプルボギー)」を境に歯車が大きく狂い始める。上がり4ホールで二つのボギーとダブルボギーを叩き、ハーフ「42」、トータル「78」という乱調。48位タイへの急降下。一つのほころびから連鎖的なミスを止められない、脆さの露呈であった。
絶望からの反発力
だが、スコアの底から見せた第3ラウンドの猛追こそが、彼女の真骨頂だった。前半で二つのバーディとボギーを交えながら耐え凌ぐと、後半に入り14番、16番、17番で鮮やかにバーディを奪取。インコースを「33」で駆け抜け、この日のスコアを「69(-3)」にまとめた。48位タイから9位タイへの劇的なジャンプアップ。前日の大叩きという事実を完全に払拭し、アンダーパーを叩き出す爆発力は、確かな技術力の証明である。
戦績が浮き彫りにした意味
迎えた最終日、さらなる上位進出への期待とは裏腹に、再びスコアメイクに苦しむこととなる。出だしの連続ボギー、そして10番でのダブルボギー。最終ホールでバーディを奪い返す意地を見せたものの、トータル「76(+4)」でホールアウト。最終順位は23位タイという結果に終わった。
27歳という、アスリートとしての成熟が求められる時期において、この戦績が意味するもの。それは、一日で「69」を叩き出し上位へ食い込む圧倒的なポテンシャルへの称賛と、4日間を通じてスコアをまとめきれない「安定感の欠如」という現実の同居である。大叩きをした翌日に見事なバウンスバックを見せる強靭さを持つ一方で、第2ラウンドや最終日のように失点を防ぎ切れない荒削りな一面。頂点に立つためには、この激しい波をいかに制御し、悪い日であってもスコアの崩れを最小限に抑え込むかが急務となる。アラムコ選手権は、底知れぬ魅力と同時に、今後の課題も明らかとなる大会となった。